今回は、私にとって最も身近な存在である「母親」を襲ったすべり症・脊柱管狭窄症の実例と、実際に指導して劇的に改善させたエクササイズをご紹介します。

50代、60代は決して「下り坂」ではありません。正しい知識とアプローチがあれば、身体は必ず応えてくれます。

すべり症や脊柱管狭窄症でお悩みの方にお勧めする改善ストレッチは以前の記事で紹介しましたので、こちらも参考にしてくださいね!

流れ

母からのSOS:すべり症という診断


実は2週間ほど前、私の母から切羽詰まった連絡がありました。 病院での診断結果は「すべり症」

以前の記事でストレッチについては触れましたが、今回はその続編であり、より根本的な解決策となる「エクササイズ編」です。

私は母に、前回紹介したストレッチに加え、今回公開するエクササイズを「1日2回」行うよう伝えました。これを徹底してもらったところ、「痛みがだいぶマシになった」「歩ける距離が伸びた」と、明らかに生活の質が改善しています。

もし、この記事を読んでいるあなたが同じような苦しみを抱えているなら、これはあなたのための記事です。

あなたの身体で起きていること:典型的な症状


母が最初に連絡をしてきた時の状況を整理すると、以下のような症状でした。

  • 腰を反らす(伸ばす)動きをすると痛みが走る。

  • 10分ほど歩くと、腰から脚にかけて痛みや痺れが出て歩けなくなる。

  • しかし、座って少し休むとまた歩けるようになる。

これは「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼ばれ、すべり症や脊柱管狭窄症の方に非常に多く見られる典型的な症状です。

なぜ痛むのか?

腰椎(腰の骨)が前方へずれることで、神経の通り道である「脊柱管」が狭くなります。さらに、腰が反ることでその圧迫が強まり、神経が締め付けられて痛みや痺れ(下肢症状)引き起こすのです。

「もう旅行には行けないかもしれない」 「このまま歩けなくなるのが怖い」

母もそう漏らしていました。しかし、ここで諦める必要はありません。

なぜ運動が必要なのか?科学的根拠(エビデンス)に基づく解説


「痛いのに動いていいの?」と思われるかもしれません。しかし、適切な運動こそが天然のコルセットとなり、あなたの腰を守ります。

私が専門とするアスレティックリハビリテーションの分野や、近年の研究論文においても、すべり症に対する運動療法の有効性は証明されています。

【科学的根拠】腰部安定化運動の有効性

海外の理学療法ジャーナルやシステマティックレビュー(複数の論文を統合した研究)において、脊椎すべり症および狭窄症の患者に対し、「腰部安定化運動(Lumbar Stabilization Exercise)」を行うことは、一般的な運動や何もしない場合と比較して、疼痛の軽減および機能障害の改善において有意に効果が高いと報告されています。

※特に深層筋(腹横筋や多裂筋)を活性化させ、腰椎の不安定性を制御することが、神経への圧迫ストレスを減らす鍵となります。

つまり、ただ闇雲に腹筋をするのではなく、「腰を支える深層の筋肉」をピンポイントで鍛えることが、手術を回避し、痛みのない生活を取り戻す最短ルートなのです。

劇的に変わる!母に伝えた改善エクササイズ


ここからは、実際に母に行ってもらい、効果が出ているエクササイズをご紹介します。

動画を見ながら、ぜひ一緒にやってみてください。

1. 股関節開き運動(可動域の改善)

腰が痛い人の多くは、股関節が硬くなっています。股関節が動かない分を、腰が無理に動いてカバーしてしまい、痛みが増幅します。まずは股関節を自由にすることから始めましょう。

2. 腹横筋の運動(天然のコルセットを作る)

これこそが「安定化運動」の核です。息を吐きながらお腹を薄くし、背骨を前から支えるインナーマッスルを目覚めさせます。

3. 四つ這いでの腹横筋運動(動きの中で支える)

日常生活では身体は動いています。四つ這いという不安定な姿勢でも、腹横筋(コルセット)が機能するように訓練します。


脊柱管狭窄症エクササイズ

 

◆ 実践のポイント

  • 頻度: 朝と夜、1日2回きっちりと行ってください。

  • 継続: 1週間で少し楽になったからといって止めないでください。「完全に痛みが出なくなった」「腰の不安を忘れていた」という状態になるまで、最低でも3ヶ月は続けましょう。

50代からの「リスタート」を私が支えます


身体に痛みや障害があると、どうしても心まで縮こまってしまいます。

「他のジムでは断られた」 「私の身体はもう治らないと言われた」 「障害があるから、運動なんて無理だ」

そう思っていませんか?

LiteraMilita(リテラミリタ)は、健康な人だけが通うジムではありません。 私はアメリカで、重度の怪我を負ったアスリートや、身体的なハンディキャップを持つ方々が、適切なリハビリとトレーニングによって「受傷前よりも強く、機能的な身体」を手に入れる瞬間を何度も目の当たりにしてきました。

今の痛みや不調は、あなたの未来を閉ざす壁ではありません。 それは「身体の使い方を変えれば、もっと良くなれる」というサインです。

私の母が、孫と遊ぶために再び元気に歩き出したように。 あなたにも、痛みを気にせず旅行に行き、趣味を楽しみ、笑って過ごす未来が待っています。

もし、自分一人で改善するのが不安であれば、ぜひ一度LiteraMilitaにお越しください。 あなたの身体の状態、既往歴、そして「本当はどうなりたいか」をじっくり聞かせてください。

あなたの人生を好転させるパートナーとして、私が全力を尽くします。


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LiteraMilitaパーソナルトレーニングジム 代表。 体の不調や悩み、コンプレックスを抱える方に寄り添い改善へと導くパーソナルトレーナーとして活動中。高校時にフィンランド留学を経てアメリカの大学に進学し、アメリカ国家資格であるアスレティックトレーナー(ATC)を取得。帰国後はアスリートや芸能関係の方をはじめ沢山の方々のトレーニングを担当。関西大学で5年間ヘッドアスレティックトレーナーを務め、約50クラブ1500名の選手たちのサポートを経験。クライアントが「やりたい!」ことを「できる!」ことに繋げるため、身体を動かすことの楽しさと身体の変化を伝え、運動で「運」を「動かす」お手伝いをしています。ジムは南堀江。フレンチブルドッグと戯れる日々。