「たった10秒で痛みが消える!」 「魔法のように一瞬で肩こりが治る!」

インターネットやSNSを開けば、そんな甘い言葉が並ぶ動画があふれています。 もしかすると、あなたも一度はそんな「魔法」に期待して、試してみたことがあるかもしれません。

しかし、あえてプロフェッショナルとして、厳しい現実をお伝えさせてください。 長年蓄積された身体の不調が、魔法のように一瞬で治ることはありません。

私はアメリカで長年、最先端のアスレティックリハビリテーションを学び、トップアスリートから、重度の身体障害をお持ちの方まで、数えきれないほどの「身体の問題」と向き合ってきました。 その経験から断言できるのは、**「正しい理論に基づいたアプローチを継続することだけが、身体を確実に変える」**という真実です。

一瞬の気休めではなく、10年後、20年後も笑顔で動ける「未来の身体」を手に入れませんか? 今日は、多くの50代の方を悩ませる「肩の不調」について、その根本原因と、私が現場で実際に指導している「本当に効く」エクササイズをご紹介します。


流れ

なぜ、あなたの肩の痛みは治らないのか?


肩の不調は、単なる「老化現象」ではありません。身体からのSOSであり、使い方のエラーです。

原因は大きく分けて2つあります。ここを理解せずにマッサージだけを受けても、またすぐに痛みは戻ってきてしまいます。

 

原因1:「肩周りの硬さが、動きを邪魔している」

 

 「腕を上げると痛い」「後ろに手が回らない」 こうした悩みをお持ちの方の多くは、肩の後方や、わきの下の筋肉がガチガチに固まっています。

イメージしてみてください。

  • 肩の後方が硬いと… 腕を上げようとするたびに、後ろからグイッと前に押し出されるような力が働きます。

  • わきの下が硬いと… 下から上へと突き上げられるような窮屈な圧迫を受けます。

これでは、関節の中で骨同士がぶつかり合い、炎症や痛みが起きるのは当然です。 逆に言えば、この「硬さ」というブレーキさえ外してあげれば、驚くほど肩は軽くなります。

30日、騙されたと思って続けてみてください。以下のストレッチで、そのブレーキを解除していきましょう。


【実践!肩のブレーキを外すストレッチ4選】

 

1. ペンデュラムストレッチ(重力を利用した脱力) (左上動画)
痛む側の手に重り(ペットボトル等でOK)を持ち、ダラーっと垂らして完全に脱力します。上半身を前に倒し、身体全体を前後左右、あるいは円を描くように揺すります。

  • ポイント: 腕の力で振るのではなく、身体の揺れで「腕が勝手に振られる」感覚でおこなってください。関節の隙間を広げるイメージです。

2. ウォールエンジェル(胸を開き背面を整える) (右上動画)
壁に背中、お尻、頭をぴったりつけます。腕を「降参」のポーズ(90度・90度)にし、壁に沿わせたままゆっくり腕を上げ、限界のところで5秒キープします。

  • ポイント: 腰が反ったり、腕が壁から離れないように。猫背改善にも効果絶大です。

3. スリーパーストレッチ(肩後方の硬さを取る) (左下動画)
横向きに寝転び、下になった腕を身体に対して垂直に出し、肘を90度曲げます。反対の手で手首を持ち、ゆっくりと床の方へ倒していきます。

  • ポイント: 肩甲骨の奥底がじわーっと伸びる感覚があれば正解です。無理に押し込まず、呼吸を止めないように。

4. 四つ這いラットストレッチ(わきの下を伸ばす) (右下動画)
四つ這いになり、片手をもう片方の手の少し前(斜め前)につきます。ついた手の位置は動かさず、お尻をまっすぐ後ろに引いていきます。

  • ポイント: わきの下から背中の横にかけてが強く伸びます。深く息を吸うことで、肋骨の間が広がり、さらに効果が高まります。

原因2:「肩甲骨がサボっている問題」

 

 もう一つの大きな原因、それは**「肩の動きに肩甲骨がついてこない」**ことです。

本来、腕を上げるときは肩甲骨も一緒に動く必要があります。しかし、50代の多くの方、特に不調を抱えている方は、肩甲骨がサビついたように動かなくなっています。

その結果、肩関節だけで無理やり腕を動かすことになり、負担が集中して壊れてしまうのです。

専門的には以下の4つの「悪いパターン」に分類されますが、覚える必要はありません。

  1. 肩甲骨が上がったまま降りてこない

  2. 肩甲骨が前に倒れこんでいる(巻き肩)

  3. 肩甲骨が外に開いてしまっている

  4. 肩甲骨が回らずに固まっている

     

重要なのは、「サボっている筋肉(サボり筋)」を叩き起こすことです。

実は、どのパターンであっても「働かなくなっている筋肉」は共通しています(僧帽筋中部・下部、前鋸筋など)。これらを刺激して、肩甲骨に「正しい動き」を思い出させてあげましょう。


【実践!肩甲骨を目覚めさせるエクササイズ4選】

 

 

1. フォースタンス・プッシュ(前鋸筋の活性化) (左上動画)

片膝立ちになり、壁に前腕(肘から手)をつけます。息を吐きながら、胸の真ん中の骨を壁から遠ざけるように背中を丸め、その状態でキープして呼吸を続けます。

  • ポイント: 腕で壁を押す力で、肩甲骨が背骨から離れていくのを感じてください。

2. ソラシック・ローテーション(胸郭の回旋) (右上動画)

四つ這いになり、片手を胸の真ん中に当てます。床についている手は動かさず、当てた側の肘と胸を天井に向かって大きく開いていきます。

  • ポイント: 腕だけで行かず、胸の骨ごと捻じる意識で。背骨の動きを引き出します。

3. ヒップリフト・サポート(肩を下げる力の強化) (左下動画)

体育座りから手を肩の真下につき、お尻を少し浮かせます。肩がすくまないように(首を長く保つように)床を強く押し続け、その状態で片足ずつゆっくり持ち上げます。

  • ポイント: 常に手で床を押し返し、肩甲骨を下げ続けることが重要です。

4. Wレイズ・バックプレス(背面の総合強化) (右下動画)

体育座りで膝の間にボールやクッションを挟みます。上半身をまっすぐ保ったまま、両手を「W」の字(120度くらい)にバンザイします。そこから親指を後ろに引くように、腕を後方へパルスさせます。

  • ポイント: 肩甲骨同士を背骨に寄せるイメージで。背中が丸まらないように注意しましょう。

「もう歳だから」と諦める前に、一度ご相談ください

 

 いかがでしたか? これらはすべて、私がアメリカの現場で学び、実践してきた「解剖学・運動学に基づいた」確かなメソッドです。

LiteraMilita(リテラミリタ)には、他のジムや治療院では「様子を見ましょう」「手術しかないですね」と言われてしまったような、難しい症状をお持ちの方も多く来院されます。 身体障害をお持ちの方、長年の古傷に悩む方、思うように身体が動かない方。 私たちは、そんな「諦めかけていた悩み」にこそ、全力で向き合います。

痛みや不調を抱えたままの50代・60代を過ごすのか。 それとも、身体を整え、趣味や旅行を思い切り楽しめる未来を手に入れるのか。

もしあなたが後者を選ぶなら、私たちにそのお手伝いをさせてください。 身体が変われば、心が変わります。そして、未来は必ず好転します。

まずは一度、あなたの身体のお話を聞かせに来てください。 お待ちしております。


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LiteraMilitaパーソナルトレーニングジム 代表。 体の不調や悩み、コンプレックスを抱える方に寄り添い改善へと導くパーソナルトレーナーとして活動中。高校時にフィンランド留学を経てアメリカの大学に進学し、アメリカ国家資格であるアスレティックトレーナー(ATC)を取得。帰国後はアスリートや芸能関係の方をはじめ沢山の方々のトレーニングを担当。関西大学で5年間ヘッドアスレティックトレーナーを務め、約50クラブ1500名の選手たちのサポートを経験。クライアントが「やりたい!」ことを「できる!」ことに繋げるため、身体を動かすことの楽しさと身体の変化を伝え、運動で「運」を「動かす」お手伝いをしています。ジムは南堀江。フレンチブルドッグと戯れる日々。